第7話・ラビット、未来への遺産?

 前回までのあらすじ
 道北旅行編から1年ほど前が今回の舞台!またも不幸にもラビと行動を共にしてしまっているみっつの運命はいかに!?

 その日は秋の初頭だった。
 例によって、みっつとラビは学芸員の見学学習で道立近代美術館を見学した帰り道だった。
 みっつ 「いや~、午前中で終わって良かったよな~!」
 ラビ 「全くだな~!昼飯にでも行こうぜぇ!」
 思いのほか早く見学が終わり、2人は上機嫌で大通り公園を闊歩していた。
 そんな時、道路を挟んで斜め前の道を見覚えのある女性が歩いているのが2人の視界に入って来た。
 ラビ 「あれは、工藤ちゃんだな。」
 みっつ 「どっか遊びにでも行くのかな?」
 ラビ 「どこ行くのかな~?」
 みっつ「さぁな~?」
 とか、会話しつつ2人は工藤ちゃんの後ろの方を歩いていた。
 途中で、彼女と道が分かれてなかったらラビは確実に声を掛けていただろう。(断言!)
 ラビ 「あ~あ。行っちゃった・・・。」
 みっつ 「別にいいだろ。これから、デートだろ!妙に、服装も気合入ってたしなぁ!」
 ラビ 「ぐぅ!それを言うな~!!」
 みっつ 「お前には、玉ちゃんがいるだろうが!?」
 ラビ 「まぁな・・・。何、食べる~?」
 みっつ 「う~ん。マックでいいか。」
 という訳で、マックで食べながら、色々と会話をしたのだが、この時の話は妙に記憶に残るものが多かった。
 多分、これまでにラビとは、一対一で話すような機会が少なかったからだと思う。
 話は多岐に渡たり、女の子の話やゼミの話、海ちゃんの話もした。その中で、最も印象に強く残っているのが次の話であろう。

 みっつ 「そういえばさぁ、前に聞いたけど、ラビと海ちゃんって本気で北海道じゃあ街中でも熊が出ると思ってたのか?」
 ラビ 「思ったよ~。なんたって、北海道だからな。」
 みっつは呆れた表情で、
 みっつ 「いくら北海道でもありえないよ!」
 ラビ 「うるせ~!マジで信じてたんだよ~!仕方ないだろ?」
 みっつ 「あのなぁ~。じゃあ、無線部で道内を旅行してて熊は見れたのか?」
 ラビ 「うんにゃ。でも、俺は北海道に来てカワイイ熊に廻り会ったからいいんだ~。」
 どうやら、玉ちゃんのことを言ってるらしい。
 みっつ 「はいはい、ご馳走様!どうせ、騙したんだろうが!なにが、筆箱忘れただ!手段がベタ過ぎなんだって!」
 ラビ 「失敬だな!ほんとに、筆箱を忘れたんだよ~。」

 この後も、ラビの非行を非難しようとしたが相変わらず誤魔化すラビであった。
 そして、洗濯をする時に洗濯機が揺れるから、その防止用の下敷きを買いたいと言うラビの妙な提案で2人は、オープンしたばかりのビック・カメラへと向かった。
 ここで、どういう話の流れからか忘れてしまったが、[できちゃった結婚]の話になり、そして・・・。
 みっつ 「巷じゃあ、できちゃった婚が増加してるからなぁ。お前も気をつけろよ。」
 ラビ 「それが、だいぶ前にさぁ、新たな生命の誕生を覚悟させられた事態に陥ったよ・・・。」
 その言葉にみっつは狼狽し、
 みっつ 「な、なぬぅ!!マジかい!?ヤバイだろ、それ!」
 ラビ 「その時は、大丈夫だったんだけどね、やっぱマズイよな~!」
 みっつ 「当たり前だろ!お前が、人生を踏み外したとしても既に脱線し放題の人生だから、何も問題ない!だが、玉ちゃんには未来があるんだぞ!!」
 ラビ 「まるで、俺には未来が無いみたいじゃないか!」
 みっつ 「あるとでも思ってたのかよ!とにかく、気をつけろよ。」
 ラビ 「おう!任せろ!」
 みっつは内心、
 (お前には何も任せられね~よ!)
 と、全くラビを信用してはいなかった。まぁ、当然である。
 だが、この後のビック・カメラでポイントカードをラビに貸し出し、ちゃっかりと美味しい思いをするみっつであった。
                             
 今回の話は、表現をソフトにするのに苦労しました・・・。ラビは、気づいたらどこまでも突き進んで行くので扱いに苦労します(汗)
 さてさて、次回なのですが、1年生の時のエピソードから、ラビ、みっつ、そして外伝では初登場となる原作者・海ちゃんの3人が始めて一堂に会してボーリングに挑む、第6話「ラビットと愉快な仲間達」にご期待下さい!

※この物語は事実を元に構成されたノンフィクションです。
           [総監督・原作・監修] 海ちゃん
           [脚本・シリーズ構成] みっつ


© Rakuten Group, Inc.